未払い残業代トラックドライバーの場合

未払い残業代 トラック運転手 残業代 請求

トラック運転手の残業が特に危険

当然、どんな仕事でも極端な残業は体にも精神的にも負担がかかります。しかし、その中でもトラック運転手は特に危険がつきまといます。

トラック運転手の残業代の未払いが多い5つの理由

1、請負契約だから出ないと言われる

トラックドライバーの方の中には、会社との雇用契約ではなく、自分の車を持ち込んで「請負契約」としている場合も多いかと思います。特に中小の会社の場合、請負契約が多いのではないでしょうか。
もしあなたが今、請負契約で働いている場合、それは本当に請負契約ですか?

  • 他の会社と契約をしてはいけない、他の会社の仕事をしてはいけないと言われていませんか?
  • 仕事のやり方について具体的な指示を受けていませんか?
  • 経費をもらっていませんか?
  • 業務に必要な道具などを支給されていませんか?

もし、上記にあてはまるようなことがあれば「請負契約」には該当しない可能性があります。そうすると、労働契約となり、残業代が請求できる可能性があります。
請負契約か否かというのは、実態で判断されますので、請負契約をしてしまっているからといって諦めるのは早計です。

2、歩合制だからでないと言われる

もう一つ、残業代が出ないと思われがちなのが、歩合制で給与を受け取っている場合です。
歩合制にも、固定給にプラスして歩合給がある場合と、完全歩合制の場合の2通りあるかと思います。
会社と雇用契約をしていながら完全歩合制である場合、それ自体が違法となります。完全歩合制の場合は、成績が悪かったときには全く給料が支給されないことになります。この場合は当然、最低時給も保障されないことになりますので認められません。
また、固定給プラス歩合給の場合も、固定給の額は最低時給はクリアしていなくてはなりません。
出来高と働いた時間は全く別問題ですので、法定労働時間を超えた分に関してはきちんと請求が可能です。会社側が歩合給を理由に残業代が出ないと主張することがあるかと思いますが、もし歩合給の中に残業代が含まれているとするならば、歩合給と残業代を明確に分けておく必要があります。仮に、分けていてたとして名目上残業代となっているだけで、実質的には歩合給である場合には会社側の主張は認められません。

3、会社の人事部や上司と顔を合わせないことが多い

トラック運転手の場合、直接配達場所から配達場所へ行ったりすることが多いかと思います。また、本社が別の場所にあることで、営業所単位で人事や労務を管理している人がいない場合も多いですね。この場合だと、言いたくても言えない、直属の上司に伝えても、労務に聞いてくれと言われてしまう、ということもあるかと思います。

4、荷待ち時間は労働時間ではないと言われる

トラック運転手に必ずついてまわるのが、荷待ち時間です。
場合によっては、この荷待ちの時間が労働時間に含まれる場合もあります。トラックが動いている時間だけが労働時間ではありません。
荷待ち時間を一切労働時間に含めないから、結果として残業にならないので残業代は出ない、というところもあります。荷待ちは労働時間なので、しっかりと計算してもらう必要があります。

5、うちの会社は残業代でないよと言われる

とにかく何の根拠もないけど、うちの会社は残業でないよ、残業代も含まれているよ、と言いくるめられてしまうことがあるようです。
たしかに、上司にそう言われてしまうとそれ以上食い下がることができないことがあるかと思います。残業代が含まれているということであれば、それは雇用契約書に明確に記載されていなくてはなりません。それに、うちの会社は残業でないよ、というのは筋が通らないのできちんと請求しましょう。


トラック運転手が未払い残業代を請求したほうが良い5つの理由

1、証拠が揃っていることが多い

未払い残業代を請求する上でもっとも大切なのが証拠です。トラックにはタコメーターがついていますね。もちろんトラックが稼働していないときの分は証拠として発揮しないですが、走行中の分に関しては確実な証拠となります。

2、残業時間が多ければまとまった金額が期待できる

トラックでの輸送は、長距離かつ長時間の労働となることが多いです。そうすると、残業時間も長時間となり、その結果、残業代も多くなります。

3、周囲の人や業界全体の体質改善ができる

トラック輸送会社は、会社全体や業界全体として、残業や長時間労働が多いのに是正されなかったり、未払いの残業が多いという部分があります。みなさん一人一人が正当な権利を主張して、状況を改善していく必要があります。

4、残業代請求には時効がある

残業代の請求には2年という時効があります。
したがって、継続的に残業代の未払いがあるという場合は2年以上前の分は受け取れないことになってしまいます。この点からも未払いがあることが発覚したら、すぐに請求することをおすすめいたします。

5、週休1日?2日?

みなさん週休2日で働いていますか?週休1日で働いていますか?これはその会社での規定によると思いますが、もし週休1日で働いている方がいた場合は要注意です。
労働基準法第35条により、休日はすくなくとも週に1日以上与えなければならないとあります。ですので、週休1日でもそれ自体に問題はありません。
その場合、週の6日は通常の賃金で働くと思いがちですが、労働基準法第37条により、1日8時間以上、週40時間以上は残業と決められいます。つまり、1日の労働時間が8時間であれば、6日目の勤務についてはその日1日の勤務がすべて時間外労働となり、残業代が支払われなければなりません。
週休1日で働いている方は確認してみてください。


残業代未払い請求訴訟の判例


残業代計算方法